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“雇うだけ”ではダメ? 特定技能制度と登録支援機関の関係を解説



特定技能の制度は非常に複雑ですが、正しく活用すれば、人手不足を解消する強力な援護になります。
その「特定技能」の外国人を受け入れる際、最もハードルとなるのが、
法律で義務付けられた「生活支援」の手間と専門性です。

この負担を肩代わりしてくれるのが「登録支援機関」です。
制度のポイントを、小規模事業者様の視点から分かりやすく整理して確認していきましょう!

 

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目次

登録支援機関とはどんな機関でしょうか?

特定技能1号の外国人を雇う際、会社には、
『仕事だけでなく、日本での生活全般をサポートする計画(支援計画)』を立て、
実行する義務があります。しかし、少人数の会社では、
入国時の送迎、
銀行口座の開設、
ゴミ出しの指導、
母国語での相談対応
までを自社で完結させるのは、現実的にかなり大きな負担です。
そこで、出入国在留管理庁に登録された専門機関(登録支援機関)に、
これらの業務を丸ごと委託できる仕組みになっています。

外国人・受入機関・登録支援機関の三者の関係性はどうなっているのでしょうか?

特定技能1号の制度における、
①外国人(本人)、
②受入機関(特定技能所属機関)、
③登録支援機関の
三者の関係性は、一言で言えば「雇用と支援の分業」です。
その役割分担と相関関係を確認していきましょう!

三者の相関図(役割のつながり)

この制度は、以下の三つ巴の構造で成り立っています。

〇受入機関 ⇔ 外国人
 『雇用契約』の関係です。日本人と同様に給与を支払い、仕事を指示します。

〇受入機関 ⇔ 登録支援機関
『支援委託契約』の関係です。本来、会社が行うべき『生活支援』を、
プロである登録支援機関に外注します。

〇登録支援機関 ⇔ 外国人
『支援の実行」の関係です。母国語での相談に乗ったり、
役所への同行など、日本での生活を直接助けます。

三者の役割分担表

特定技能制度では、
外国人本人、
受入機関(事業者)、
登録支援機関
がそれぞれ異なる役割を担い、連携しながら制度を運用しています。
外国人は適正に就労し、受入機関は雇用管理と支援の最終責任を負い、
登録支援機関は生活支援などを代行します。

三者がそれぞれの責任を果たすことで、外国人が安心して働き、
企業も安定した受入れ体制を構築することができます。

なぜ「登録支援機関」が必要なのでしょうか?

資本金や従業員規模が限られている事業者様にとって、
登録支援機関を活用する最大の理由は「支援の要件」にあります。

受入機関(事業者様)が自社で支援を行う(登録支援機関を使わない)ためには、
通常以下の高いハードルをクリアしなければなりません。
(1)過去2年間に中長期在留者の受入・管理実績があること。
(2)支援責任者・支援担当者を(兼任可だが)選任すること。
(3)外国人が理解できる言語(母国語など)で支援ができる体制があること。

これらを自前で用意するのはコストも手間もかかるため、多くの小規模事業者様は、
登録支援機関とタッグを組む道を選ばれます。

運用の流れ(イメージ)

(1)契約: 事業者様が登録支援機関と「支援委託契約」を締結。
(2)申請: 登録支援機関のサポートを受けて、入管へ在留資格の申請を出す。
(3)入国・就労: 外国人が入国し、貴社で働き始める。
(4)定期支援: 登録支援機関が3ヶ月に1回、貴社と外国人を訪問。面談を行い、
   その結果を書類にまとめて入管へ提出する。

このように、事業者様は「業務の指導と経営」に集中し、
複雑な「生活支援と行政手続」を登録支援機関がバックアップするというのが、
この制度の理想的な形となります。

登録支援機関の要件とはどのようなものがあるのでしょうか?

登録支援機関として認められるためには、大きく分けて
『支援を実行できる能力(体制)』と『クリーンな運営(欠格事由』」の2つの柱において、
厳しいハードルをクリアする必要があります。
主要な要件を確認していきましょう!

支援体制に関する要件

単に「手伝います」と言うだけでは足りず、
以下の具体的な体制が求められます。

〇支援責任者・担当者の設置
➡組織の中に、支援の責任者と実際に動く担当者を置かなければなりません。
 ※「常勤性」や「過去5年間に2年以上の生活相談業務の経験」などが必要です。

〇多言語対応体制
➡支援する外国人が十分に理解できる言語(母国語など)で、
相談に乗れるスタッフがいるか、通訳を確保している必要があります。

〇過去の支援実績
 ・過去2年間に中長期在留者(就労ビザなど)の受入れ実績がある。
 ・過去2年間に中長期在留者(就労ビザなど)の受入れ実績がある。
 ・支援責任者・担当者が、過去5年間に2年以上、生活相談業務に従事した経験がある。

欠格事由(「ふさわしくない」状態でないこと)

以下の項目に一つでも当てはまると、登録は拒否、または取り消されます。
〇法令違反がないこと
・出入国、労働、暴力団関係の法律に違反し、
 罰金刑以上の刑に処せられてから5年を経過していない。
・過去5年以内に、外国人の人権を侵害するような不正行為
(暴行、脅迫、パスポートの取り上げ、給与未払いなど)を行っていない。

〇行方不明者を出していないこと
➡直近1年以内に、自社の責任で特定技能外国人の行方不明者を発生させていないこと。

〇費用の本人負担禁止
➡支援にかかる費用を、直接・間接を問わず外国人本人に負担させていないこと。
(これが発覚すると非常に重いペナルティとなります)

行政書士法改正(2026年1月施行)に伴う制限

登録支援機関は『生活支援』のプロですが、
『入管への申請書類の作成』は行政書士の独占業務です。

最近の法改正により、登録支援機関が「事務手数料」などの名目で申請書類を作成し、
報酬を得る行為はより厳格に禁止(罰則対象)されました。

登録支援機関が行う業務とはどのようなものがありますか?

登録支援機関が行う業務は、
法律で定められた『10項目の義務的支援』が中心です。

これらは、外国人が日本で円滑に生活し、トラブルなく働けるようにするための
『最低限のサポート」と位置づけられています。
内容について確認していきましょう!

必ず行わなければならない『10項目の義務的支援』

登録支援機関に委託すると、主に
①事前ガイダンス、
②出入国時の送迎、
③住居確保・生活契約支援、
④生活オリエンテーション、
⑤公的手続きへの同行、
⑥日本語学習の機会提供、
⑦相談・苦情への対応、
⑧日本人との交流促進、
⑨転職支援、
⑩定期的な面談、
といった項目を代行してくれます。これらは法律で決まっており、
一つでも欠けると不正受入れとみなされる恐れがありますので注意が必要です。

『任意的支援』について

義務ではありませんが、
経済的支援(日本語試験の受験料補助や、初期費用の貸付など)、
追加の送迎(日本国内での移動(引越し時など)のサポート)、
余暇の充実(社内レクリエーション(歓迎会やBBQなど)の実施)、
などの支援を行うことで、よりスムーズな定着が期待されます。

登録支援機関の登録(申請)方法はどのように行うのでしょうか?

登録支援機関の登録手続き等については、
提出先 ➡ 主たる事務所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局、
審査期間 ➡ 約2ヶ月〜3ヶ月で余裕を持った準備が必要、
有効期間 ➡ 5年間。5年ごとに更新手続きが必要、
登録手数料 ➡ 28,400円で収入印紙で納付、
となります。

申請に必要な『主な書類』

申請に必要な書類は大きく分けて、
『組織の適格性を証明する書類』と『支援ができる体制を証明する書類』として、
①登記事項証明書・定款(法人の場合)、
②役員の住民票・身分証明書、
③欠格事由に該当しない旨の誓約書、
④支援責任者・支援担当者の履歴書・就任承諾書、
⑤対応言語の能力を証明する書類(スタッフの履歴書や通訳契約書など)、
が必要となります。

登録後の『維持・運営』にかかる義務

登録を受けたら終わりではなく、以下の運用が求められます。

〇帳簿の備付け
➡支援の実施状況を記録した帳簿を、事務所に備え付けなければなりません。

〇届出義務
➡住所や役員、支援体制に変更があった場合は、14日以内に届け出る必要があります。

まとめ

特定技能制度において、外国人材の受け入れは「採用して終わり」ではなく、
日本で安心して働き、暮らしていける環境づくりまで含めて初めて成り立つ制度です。

その中で登録支援機関は、事業者様と外国人双方を支える“橋渡し役”として、
大きな役割を担っています。特に、小規模事業者様にとっては、
複雑な支援義務や行政対応をすべて自社だけで抱えることは容易ではありません。
だからこそ、信頼できる登録支援機関や専門家と連携することで、
本来注力すべき「事業運営」と「人材育成」に集中できる環境を整えることが重要になります。

人手不足への対応がますます求められるこれからの時代、
特定技能制度を正しく理解し、適切な支援体制を築くことが、
外国人材との長期的な信頼関係と安定した経営につながっていくのではないでしょうか。

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PROFILE

青山 健司
青山 健司青山健司行政書士事務所 代表
事務所名:青山健司行政書士事務所
住所 :〒062-0932 北海道札幌市豊平区平岸2条11丁目3番14号 第一川崎ビル1階
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許可番号:行政書士登録番号15010797号

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