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建設業経営者様のための『経営事項審査』のポイント解説!



建設業を営み、日々の実績を積み重ね、建設業の許可を取得すると、
業務の幅が飛躍的に広がる期待が持てますね。

これらの業務の中のひとつに『公共工事』が挙げられます。
が、この公共工事を受注するには『経営事項審査』の受審といったハードルがあります。
この手続きはかなり煩雑で、現状では業務の足かせになってしまう可能性があります。

今回はそんな『経営事項審査』はどんな手続きであるのか
説明していきたいと思います。

 

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目次

建設業の流れを振り返ってみましょう!

建設業者が営み始めてから建設業許可を取得するまでの流れ、
また、許可取得後に業務を広げたイメージ図が上記のイラストになります。

大まかに分けると
500万未満の軽微な工事
民間工事の請負
公共工事等の請負
となります。

公共工事を受注するためには、
『経営事項審査』を受信する必要があります。

なぜ『経営事項審査』を受けなければならないのでしょう?

経営経営事項審査(以下経審:けいしん)は、
国、
都道府県、
市区町村、
公社等
などが発注する公共工事を直接請け負う場合に、
必ず受けていなければならない審査です。

公共工事の各発注機関は、競争入札によって参加しようとする建設業者を募ります。
この建設業者の資格審査を行うにあたり、
主観的事項⇒国や自治体が地域貢献などを独自に審査する項目
客観的事項⇒建設業者の『能力』・『規模』等を審査する項目
の二つを点数化した上で順位を付けをする『格付け』を行います。
経営事項審査はこのうち『客観的事項』にあたる部分を審査いたします。

※公共工事を請け負う予定がない、又は公共工事を請け負う必要がない場合、
経審は受審する必要はありません。

経審はどんな構成になっているのでしょうか?

上記は経審の全体的な流れです。

建設業者は毎年、決算終了後から4か月以内に、
『決算変更届』を知事(大臣許可の場合は国土交通大臣)宛に
届出することを義務付けられています。

経審は、この『決算変更届(建設業決算報告書)』
の作成からスタートします。

『決算変更届(建設業決算報告書)』の完了後、
①国土交通大臣の登録を受けた登録分析機関へ
経営状況分析の申請
②該当する各都道府県の建設業課へ啓江事項審査の申請書の提出

申請完了後、約1か月ほどで
『総合評定値通知書』が郵送されます。

なお、経営事項審査の有効期限は
審査基準日(決算日)から1年7カ月になります。

例:令和5年3月31日決算日の経審の有効期限
 ⇒令和6年10月31日

2回目以降に申請する場合には有効期限が切れる前に、
『総合評定通知書』が届くようスケジュールを組んで
申請するように心がけましょう!

では、経審の具体的内容を見てみましょう!

経営状況分析(Y点)申請とは

経審申請書類における添付書類の中の一つとなるY点を求めるための、
経営状況分析申請書を取得するための申請です。
国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関へ申請します。

建設業決算報告書の財務諸表の経営状況を
負債抵抗力
①純支払利息比率 (X1)
②負債回転期間(X2)
収益性効率性
③総資本売上総利益率(X3)
④売上高経常利益率(X4)
財務健全性
⑤自己資本対固定資産比率(X5)
⑥自己資本比率(X6)
絶対的力量
⑦営業キャッシュフロー(絶対額)(X7)
⑧利益剰余金(絶対額)(X8)
以上8つの指標に基づいて分析して数値化するものです。

P点(総合評定値)とは

総合評定値(P点)は、
経営規模(X1、X2)
経営状況(Y)
技術力(Z)
社会性等(W)
の4つの評価項目の数値化したものの合計したものです。

総合評定値(P)の計算式は
=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.15W
により算出されます。

経営規模(X1)とは

経営規模X1は、完成工事高評点を指します。

建設業業種区分ごとに評点が決まっており、
工事高は10,000千円未満~100,000千円以上
に区分されます。

各建設業種の完成工事高を『完成工事高評点X1算出テーブル』
に当てはめて算出します。

完成工事高の平均年数は2年または3年のどちらかを選択できます。

経営規模(X2)とは

経営規模X2は、
自己資本額点数
平均利益額点数
を計算式に当てはめて算出たものです。

経営規模評点X2 = (自己資本額点数 + 平均利益額点数)×1/2 

自己資本額点数・平均利益額点数はそれぞれ、
自己資本額算出テーブル(X21)
平均利益額算出テーブル(X22)
に当てはめて算出します。

自己資本額は、貸借対照表の純資産合計を指し、
平均利益額は、利払前税引前償却前利益の2期平均値(審査基準年と直前期)
を指します。

利払前税引前償却前利益は損益計算書の
『営業利益 +  減価償却実施額』
により算出されます。

技術力(Z)とは

技術力(Z)は技術力を審査する評点で、
技術者の資格(Z1)
元請完工高(Z2)
から、 建設業種区分ごとに評点を算出します。

技術者職員点数(Z1)は技術職員数値を算出後、
技術職員数点数Z1算出テーブルに当てはめて算出します。

技術職員数値は、
一級監理受講者の人数(×6点)
一級技術者であって一級監理受講者以外の者の人数(×5点)
監理技術者を補佐する資格を有するものの人数(×4点) 
基幹技能者であって一級技術者以外の者の人数(×3点)
二級技術者の人数(×2点)
その他技術者の人数(×1点)
より算出されます。

元請完工高(Z2)は元請完成工事高点数Z2算出テーブルに当てはめて算出します。
元請完成工事高の平均年数は2年/3年のどちらかを選択できます。

社会性等(W)

その他の審査項目(社会性等)評点Wは、経審(経営事項審査)のうち、
いわゆる『福利厚生』といった社会的貢献度などを評価します。

評価項目は
労働福祉点数(W1)
営業継続点数(W2)
防災協定点数(W3)
法令遵守点数(W4)
建設業経理点数(W5)
研究開発点数(W6)
建設機械保有点数(W7)
国際標準化機構登録点数(W8)
若年技術者育成確保状況点数(W9)
知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況(W10)
などから構成されます。

この項目は今般の社会通年に照らしてに対応するため、
頻繁に改正が行われるので常に注意しておく必要があります。

評点算出テーブル

経審の各評価項目の評点の算出基礎となる
評点算出テーブルはこちらになります。参考にしてください。

まとめ

経審は公共工事の競争入札に参加する際、
新たに参入する建設業者の適性施工確保のために
不良・不適格業者の排除が必要不可欠な審査となります。

また、
技術者
売上高
経営状況
などの客観性の高い情報を数値化することで。
具体的に自社の強み、弱みを一元的に把握できます。

経営の規模を広げるツールとしてでなく、
自社をいま一度見直す意味でもぜひ積極的に
活用していただきたい申請ですので検討してみて下さい。

青山健司行政書士事務所では、経営事項審査を受審したい方をサポートいたします!

当事務所では、北海道札幌市で経営事項審査の申請のほか、
法人設立の手続き
起業のサポート
許認可申請の手続きなどの   
総合支援を行っております。

起業に悩まれている方はもちろん、
経営に悩まれている方・手続でお困りの方はお気軽にご相談ください。

PROFILE

青山 健司
青山 健司青山健司行政書士事務所 代表
事務所名:青山健司行政書士事務所
住所 :〒062-0932 北海道札幌市豊平区平岸2条11丁目3番14号 第一川崎ビル1階
TEL:011-815-5282
許可番号:行政書士登録番号15010797号

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