押さえておきたい、外国人が起業するためのチェックポイント
前回まで起業に関するお話をさせていただきました。
昨今では、様々な経営形態が確立し、経済活動が行われています。
そんな中で、外国人が日本社会に関わってくることが常態化されてきました。
今回は外国人にスポットを当てて、外国人の起業についてお話させていただきたいと思います。
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目次
- ○ 外国人と日本人の起業には違いってあるんでしょうか?
- ○ 印鑑証明書の代わりにサイン証明書が必要!
- ○ 経営をするためには在留資格『経営・管理』が必要
- ・在留資格『経営・管理』主な要件
- ○ 在留資格『経営・管理』が無くても経営できる資格がある?
- ○ まとめ ~まずはやっぱり計画の見つめ直しから~
- ○ 青山健司行政書士事務所では、起業したい方を応援します!
外国人と日本人の起業には違いってあるんでしょうか?
早速結論から行くと、外国人が起業する場合において、
原則、日本人が起業する場合と手続きにおいて変わることはありません。
では、外国人と日本人、何が違うのでしょうか?
それは、外国人の場合、日本人と違って手続等に制限があることにです。
そこで、どんな点があるのか見ていきたいと思います。
先ずは、会社設立の流れから振り返ってみましょう!
印鑑証明書の代わりにサイン証明書が必要!
前回でもお話しした会社設立の流れから確認していきましょう!
会社設立時に必要な書類は以下のものがあります
1. 登記申請書
2. 登録免許税納付用台紙
3. 定款
4. 発起人の決定書
5. 設立時取締役の就任承諾書
6. 設立時代表取締役の就任承諾書
7. 設立時取締役の印鑑証明書
8. 資本金の払込みがあったことを証する書面
9. 印鑑届出書
10. 登記すべき事項を記載した書面又は保存したCD-R
この中で、先ず重要な点は、7.『印鑑証明書』です。
外国人が出資者、設立時取締役が印鑑登録を行っておらず印鑑証明書を発行できない場合、
母国より、『サイン証明証明書』を発行してもらい、これを代替の書類とする必要があります。
これにより5.6『就任承諾書』の印鑑はサインで対応することになります。
サイン証明書は各国で発行方法が違うため、注意が必要になります。
関連記事はこちら【会社設立の手順と設立後の手続き】自分の起業をもう一度見直しましょう!
経営をするためには在留資格『経営・管理』が必要
次に、会社を設立すること自体にはさほど制約されることはないのですが、
重要な点は、事業を経営するためには就労するための在留資格『経営・管理』が必要となり、
この資格がないと経営をすることができません。
就労資格『技術・人文・国際知識』をもって会社で数年間働いて
スキルを身に着けたのち自分で企業をしようと思った外国人の方、
在留資格『技能』をもってレストランで数年間修業を積んだのち
にお店を開こうと準備している外国人の方も、
それだけでは事業を行うことができないのです。
では在留資格『経営・管理』ってどんな資格なのでしょうか?
在留資格『経営・管理』主な要件
経営をするための在留資格『経営・管理』には、
主に以下の要件が必要となります。
1.事業所の確保 日本国内に『事業が存在する(もしくは確保されている)こと』
2.事業規模 以下のいずれかに当てはまる必要があります。
①本邦に居住する2人以上の常勤従業員を確保していること。
常勤従業員については
日本人、
特別永住者、
永住者、
日本人の配偶者等、
永住者の配偶者等、
定住者
の在留資格をもって在留する者でなければなりません。
②資本金又は出資の総額が500万円以上あること。
③①又は②に準ずる規模であると認められるものであること。
3.事業の継続性 今後も事業活動が継続的に行われていくことが見込まれている必要があります。
具体的には事業計画書から判断されることになります。
事業計画書は
・どんな目的をもって事業を行いたいのか
・どれだけの資金をもってどんな設備をいくら用意するのか、
何人雇用するのか、そのランニングコストをいくら用意するのか
・初期投資はいくらで設定して、最初の何カ月(何年)は赤字だが、
何年後でプラスに生じるのか
など細かく、具体的な項目を設定して落とし込んでいかなければなりません。
事業計画書の具体的な作成方法についてはこちらのサイトで確認してみてください。
事業計画書の重要性を考える。必要性からプロセスまで詳しく解説!
できる経営者はここが違う!】収支計画書の書き方やポイントを解説!
在留資格『経営・管理』が無くても経営できる資格がある?
一方で、在留資格『経営・管理』を必要としないケースがあります。
具体的には、
特別永住者、
永住者、
日本人の配偶者等、
永住者の配偶者等、
定住者
の在留資格をもって在留する者といったいわゆる『身分系在留資格』が該当します。
『身分系在留資格』は就労するにあたり、
制限がないため就労系の在留資格を必要としません。
ですので個人事業主(フリーランス)といった形態で、
小規模な経営から始めたいといった事業者様にも適しています。
※在留資格『経営・管理』で個人事業主として経営することも可能ですが、
要件を証明するための資料等を用意することが非常に困難です。
まとめ ~まずはやっぱり計画の見つめ直しから~
起業をするために先ず一歩目の会社という『箱』を作ることは
比較的制約も少なくスムーズに進みます。
が、いざ経営を始めるとなると非常に多数の制約がかかります。
もっとも、以前の設立の回でもお話させていただいたのですが、
起業をするということは非常に綿密な計画を立てた上で、
慎重に検討を重ねた上で実行することが重要です。
これは外国人が起業する場合も日本人が起業する場合もどちらも変わらない点です。
自分の起業の計画をしっかり見つめ直して、充分に事業計画書に落とし込んだ上で、
起業に臨んでいただけたらなと思います。
青山健司行政書士事務所では、起業したい方を応援します!
当事務所では、北海道で、
法人設立の手続き
起業のサポート
就労ビザ(在留資格)の申請・サポート
を行っております。
起業に悩まれている方はもちろん、
経営・就労ビザ申請等に悩まれている方はお気軽にご相談ください。
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事務所名 青山健司行政書士事務所
代表者 青山 健司
設立年月日 平成29年4月1日
TEL 011-815-5282 FAX 011-817-7172
許可番号 行政書士登録番号15010797号
事業内容
・各種書類作成(契約書、内容証明書、公正証書遺言、遺産分割協議書)
・法人関連書類作成(各種許認可・議事録、設立関連書類)
・在留関係手続きなど
PROFILE
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事務所名:青山健司行政書士事務所
住所 :〒062-0932 北海道札幌市豊平区平岸2条11丁目3番14号 第一川崎ビル1階
TEL:011-815-5282
許可番号:行政書士登録番号15010797号
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