副業希望者のための『住宅宿泊事業』のススメ方

2018年から施行された『住宅宿泊事業法(民泊新法)』が、
施行されて以来久しく時が経ちました。
『住宅宿泊事業法(民泊新法)』は観光旅客の宿泊に対する需要に対応する形で、
民泊事業を行う事業者が着実に増えてきたようです。
今回は民泊事業の中でも比較的利用率の高い
住宅宿泊事業について解説していきたいと思います。
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目次
- ○ 住宅宿泊事業とは何でしょうか?
- ・住宅宿泊事業にはどんな特徴がありますか?
- ・住宅宿泊事業を行うにあたり注意すべき点は何ですか?
- ○ 住宅宿泊事業 全体図(フロー)を確認していきましょう!
- ・事業計画・物件確保(準備段階)
- ・法的要件の確認・整備
- ・住宅宿泊事業の届出(※旅館業ではなく住宅宿泊事業の場合)
- ・設備工事・改修(必要に応じて)
- ・運営準備
- ・運営開始
- ・事後対応・維持管理
- ○ 住宅宿泊事業の届出を行うための申請書類を確認しましょう!
- ・届出する場合に必要な主な書類一覧
- ・申請上の注意点を確認しましょう!
- ○ まとめ
- ○ 青山健司行政書士事務所では、住宅宿泊事業の届出を取得したい方を応援します!
住宅宿泊事業とは何でしょうか?
住宅宿泊事業とは、
『普段は人が住む住宅を使って、旅行者などに1泊以上泊まってもらい、宿泊料をもらう事業』です。
これは「民泊(みんぱく)」と呼ばれる形態の一つで、
2018年から施行された「住宅宿泊事業法(民泊新法)」によって制度化されました。
住宅宿泊事業にはどんな特徴がありますか?
住宅宿泊事業の特徴をまとめると上記のような感じになります。
•不動産(空き家・空室)を活用して収益を得たい
•少ない資本で宿泊業を始めたい
•地域の観光資源を活かしてビジネスを展開したい
といった方に向いている事業と言えそうです。
住宅宿泊事業を行うにあたり注意すべき点は何ですか?
この表は、住宅宿泊事業(民泊)を行う際の主な法的・運営上の留意点をまとめたもので、
・用途地域・建築基準法の制限
⇒対象物件の地域や構造によっては民泊が制限・禁止される場合があり、
改修時は建築基準法適合の確認が必要。
・消防法への適合
⇒不特定多数が宿泊する施設は消防設備設置義務があり、
所轄消防署との事前相談と届出が必要。
・届出要件
⇒物件の図面・写真、法人登記事項証明書、
管理方法、近隣対応方針などを提出。不備があると受理されない。
・管理体制づくり
⇒宿泊者対応・清掃・苦情対応の体制が必要。
外部業者委託も可能(義務の場合あり)。
・年間営業日数制限
⇒年間180日以内の営業制限があり、事業計画と収支見通しを慎重に試算。
・近隣住民への対応
⇒騒音やごみ問題に配慮し、説明文書配布や問い合わせ先明示などの対策が必要。
・自治体独自の条例・規制
⇒自治体によって営業日数や場所制限など独自ルールがあるため、事前確認が必須。
といった点が挙げられます。
住宅宿泊事業 全体図(フロー)を確認していきましょう!
上記は、住宅宿泊事業(民泊)を始める際の全体的な流れを示しています。
内容については、
・事業計画:運営方針や収支計画を立案
・法的要件整備:関係法令や条例への適合準備
・届出:所管行政機関へ必要書類を提出
・設備整備:消防設備や宿泊環境の整備
・運営準備:管理体制・周知対応の確立
・運営開始:宿泊事業の営業開始
・維持管理:運営継続に伴う管理・改善
となります。
事業計画・物件確保(準備段階)
先ずは準備段階として、
・ 事業目的に「住宅宿泊事業」を含める(※定款の確認・変更)
・不動産の確保(所有または賃貸)
→ 持家の場合:名義・用途地域の確認
→ アパートの場合:全戸を利用するか一部か、オーナーの同意が必要
・用途地域・建築基準法・消防法等の法規制の確認
をおこないます。
法的要件の確認・整備
法的要件の確認・整備を行います。
具体的には、
・住宅宿泊事業法(民泊新法)で営業可能な物件か確認
・使用可能日数制限(原則年間180日以内)を理解
・消防設備の設置・防火対象物使用開始届の準備
・住宅の要件(キッチン・風呂・トイレ・居室などの設備)が整っているか確認
をおこないます。
住宅宿泊事業の届出(※旅館業ではなく住宅宿泊事業の場合)
住宅宿泊事業の届出を行います。
内容は、
・都道府県(保健所設置市)に「住宅宿泊事業」の届出
→ e-申請システム等を利用(添付書類多数:図面・賃貸契約書・誓約書等)
・管理業務を自社で行う or 管理業者(登録住宅宿泊管理業者)に委託
となります。
設備工事・改修(必要に応じて)
設備工事・改修を行います。ただし、必要に応じてとなります。
具体的には、
・消防設備(煙感知器・避難経路標示・消火器など)を設置
・宿泊者向け設備(Wi-Fi、寝具、家電、案内掲示)を整備
などを行います
運営準備
運営準備については、
・住宅宿泊事業開始の報告書提出
・宿泊者情報の記録と保管(外国人パスポートの確認)
・宿泊日数の記録・保健所への定期報告(四半期ごと)
といった内容になります。
運営開始
さあ、いよいよ運営開始です。
運営後も、
・住宅宿泊事業開始の報告書提出
・宿泊者情報の記録と保管(外国人パスポートの確認)
・宿泊日数の記録・保健所への定期報告(四半期ごと)
といった届出がありますので注意が必要です。
事後対応・維持管理
事後対応・維持管理としては、
・年間営業日数の管理
・定期清掃・施設点検
・近隣苦情対応や事故発生時の報告体制
といった業務が必要になります。
住宅宿泊事業の届出を行うための申請書類を確認しましょう!
住宅宿泊事業を行うための届出の申請書類には
どのようなものがあるのでしょうか?
具体的に確認していきましょう!
届出する場合に必要な主な書類一覧
上記のほか、管理業務を外部委託する場合には、
『登録住宅宿泊管理業者との「委託契約書」の写し』が必要となります。
また、営業開始日については、
書類が受理されたあと「営業開始報告書」の提出が必要となります。
なお、電子申請で申請する場合には下記のリンクより届出可能となりますので、
参考にしてもらえると幸いです。
申請上の注意点を確認しましょう!
申請上の注意点としては、
・間取り図や写真が不十分(→居室として認められない例あり)
・ 定款に住宅宿泊事業が明記されていない
・消防設備の設置前に届出してしまう
・管理体制の説明が不十分(トラブル防止措置が曖昧)
といった点が挙げられます。申請前に十分にチェックした上で申請を行いましょう!
まとめ
住宅宿泊事業(民泊)が日本で浸透していった背景には、
訪日外国人観光客の急増(インバウンド需要)により、
従来のホテルや旅館では部屋数が足りず、宿泊施設不足によって、
「安くて個性的な宿泊施設」へのニーズが高まった点や、
副業・複業の広がりにより、スモールビジネスに関心が高まり、
旅をしながら暮らす「ワーケーション」などの、
新しい滞在スタイルといった 働き方・ライフスタイルの変化などが挙げられます。
今後も国内外の需要者へのニーズ対応を充実させて発展させていきたいですね。
青山健司行政書士事務所では、住宅宿泊事業の届出を取得したい方を応援します!
当事務所では、北海道の事業者様を中心に、
法人設立の手続き
起業のサポート
許認可申請の手続きなどの
総合支援を行っております。
起業に悩まれている方はもちろん、
経営に悩まれている方はお気軽にご相談ください。
PROFILE

- 青山健司行政書士事務所 代表
-
事務所名:青山健司行政書士事務所
住所 :〒062-0932 北海道札幌市豊平区平岸2条11丁目3番14号 第一川崎ビル1階
TEL:011-815-5282
許可番号:行政書士登録番号15010797号
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