補助金申請をコンサル会社に任せていると違法になりますか?
2026年1月から施行された改正行政書士法により、
「コンサル料の名目で補助金申請を任せている会社」
「社員に他社の申請書類を作らせている会社」
「過去に申請が不許可になった会社」
の経営者が、知らず知らずのうちに法的リスクを抱えている可能性があります。
このページでは、2026年1月から施行された改正行政書士法について、経営者の素朴な疑問に直接お答えします。
⚠️ 2026年改正で変わった最重要ポイント
行政書士でない者が、「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」官公署への提出書類を作成することが、法律上で明確に禁止されました。
「コンサル料」「サポート料」「会費」などの名目は、一切免責の理由になりません。
💰 補助金・許認可の外注と社内処理のリスク
Q1. 補助金申請を「コンサル料」や「サポート料」の名目で外部委託しています。
今の契約のままで大丈夫ですか?
❌ 大丈夫ではありません。
現在の契約内容は「実態」を基準に必ず見直す必要があります。
今回の改正により、名目が「コンサル料」「成功報酬」「サポート料」であっても、実質的に補助金申請書類の作成・代行を行っていれば違法と判断されます。
🔍 今すぐ確認すべき3つのポイント
① 業務範囲の確認
契約の中に「申請書の作成」「事業計画書の作成代行」が含まれていないか確認してください。
含まれていれば削除するか、行政書士への正式委任に切り替える必要があります。
② 役務の実態
「助言・情報提供」にとどまっているか、実質的に"代筆・作成"になっていないかが重要です。
名目より実態で判断されます。
③ 報酬体系
成功報酬型であっても違法性は否定されません。業務内容で判断されます。
✅ 適法として継続できる範囲
○ 経営相談・補助金情報の提供
○ 申請方針のアドバイス
○ 書類のチェック(※最終作成は事業者自身または行政書士等の資格者)
🚨 依頼した経営者側のリスク
発注した側も完全に無関係とは言えません。
違法行為と認識しながら依頼していた場合は共同正犯・幇助と評価される可能性があります。
少なくとも補助金の返還・不正受給認定・今後の申請制限などの行政上の不利益は現実的なリスクです。
🔧 実務的アドバイス
「誰が最終的に書類を作成しているか」を明確化し、書類作成が必要な場合は行政書士等の資格者へ正式に委任してください。
既存契約は「作成関与の有無」を軸に条項修正または再締結が必要です。
Q2. 社員が自社の申請書類を作るのは違法ですか?
「自社のことは自分でやっていい」範囲はどこまでですか?
✅ 自社の社員が自社のために申請書類を作成・提出すること自体は適法です。
判断基準は「誰のための業務か(他人性)」です。
✅ 適法となる範囲(自社処理としてOK)
○ 自社の総務・人事担当者が自社の許認可申請書類を作成・提出する
○ 代表者の指示のもとでの内部事務処理
○ 建設業許可の更新・在留資格関係書類も「自社案件」であれば問題なし
⚠️ 違法となる可能性があるケース
✗ 社員がグループ会社・取引先など"他社の申請"まで代行する
✗ 実態として外部から報酬を得て申請書類を作成する
✗ 名目上は社員でも、実質は外部コンサルとして動いている場合
→ この場合は行政書士資格がないと違法となります
⚠️ グレーになりやすいポイント(要注意)
・「出向社員」や「兼務」の形で他社申請に関与 → 実態次第で"他人の依頼"と評価されるリスク
・外国人雇用手続きで登録支援機関やコンサルが実質作成しているケース
・建設業許可で下請会社の分までまとめて書類作成してしまうケース
💡 安全に運用するためのポイント
「申請主体=自社」であることを明確にし、書類の最終作成責任は自社内で完結させてください。
他社分に関与する場合は必ず行政書士へ正式に依頼してください。
📂 過去の不許可・不採択案件は今からやり直せる?
Q3. 以前に許認可申請や補助金申請が「不許可・不採択」になりました。
改正により不服申立てをやり直せる可能性はありますか?
⚠️ 過去の不許可案件が「やり直し」できるわけではありません。
不服申立てが可能かどうかは、法定の申立期間内かどうかで決まります。
📋 今回の改正で変わったこと
特定行政書士には、本人申請案件を含めた不服申立ての代理が可能になりました。
現在進行中(期限内)の案件であれば、今からでも特定行政書士に依頼が可能です。
⏰ 不服申立て(審査請求)の期限
・処分があったことを知った日の翌日から → 3か月以内
・かつ、処分の日から → 1年以内(原則)
※これを過ぎると、原則として申立ては不可
💡 「期限が切れている」場合の現実的な対応策
→ 再申請(再チャレンジ)での対応が現実的です。
不許可になった理由を行政書士と一緒に分析し、書類や要件を見直して再構築することが重要です。
⚠️ 改正の趣旨について
今回の改正はあくまで「代理できる範囲の拡大」であり、期間制限そのものを緩和するものではありません。
過去に期限切れとなった案件が復活することはありません。
🔎 行政書士への依頼前に確認すべきこと
Q4. 行政書士に依頼する際、資格確認を怠ると会社も罰せられると聞きました。
具体的に何をどう確認すればいいですか?
A. 今回の改正で整備された両罰規定により、違法業者と知りながら依頼した場合、依頼者側の法人にも罰則が及ぶ可能性があります。
以下の手順で依頼前に必ず確認してください。
📋 依頼前の確認ステップ
ステップ① 日本行政書士会連合会の名簿で検索する
日行連の公式サイト(https://www.gyosei.or.jp/)から、氏名または事務所名で登録の有無を確認できます。これが最初の基本確認です。
ステップ② 行政書士証票の提示を求める
行政書士は業務上、証票(顔写真入りの身分証明書)の携帯が義務付けられています。
初回の打ち合わせ時に提示を依頼することは、依頼者として当然の行為です。
ステップ③ 各都道府県の行政書士会に問い合わせる
北海道であれば北海道行政書士会に確認することで、登録の有効性をより確実に確認できます。
疑わしい場合は遠慮なく問い合わせてください。
⚠️ 「名簿検索だけ」では不十分なケース
名簿検索は登録の存在を確認するものですが、以下の場合は追加確認が必要です。
・名義貸し(他者が資格者名義を借りて業務を行っているケース)
・業務範囲外の対応(行政書士でも取り扱えない分野がある)
→ 業務内容が自分の依頼に合致するかも依頼前に確認してください。
💡 安心して依頼するために
登録確認 + 証票の提示依頼 + 契約書(委任状)の締結、この3点をセットで行うことが、依頼者側のリスク管理として最も確実です。
🤝 顧問行政書士との契約は必要ですか?
Q5. 顧問行政書士と契約するメリットはありますか?
費用感と、税理士・社労士との役割分担も教えてください。
A. 顧問行政書士との契約は「必須」ではありませんが、許認可・外国人雇用・補助金など手続きリスクがある会社には実務的なメリットが大きいです。
顧問行政書士は「何かあったら頼む人」ではなく、"問題が起きる前に防ぐ外部法務担当"という位置づけです。
✅ 顧問契約で具体的に何が変わるか
○ 事前チェック体制ができる → 許認可更新漏れ・要件違反を未然防止
○ グレー判断を即相談できる → 法改正・運用変更に迅速対応
○ 書類作成・申請の外注がスムーズ → スポット依頼より優先・低コストになりやすい
○ 不服申立てにも即対応 → 今回の改正で実務価値がさらに上昇
💰 費用感の目安
ライト顧問(相談中心) → 月1万〜3万円程度
スタンダード(相談+簡易チェック) → 月3万〜5万円程度
実務対応込み(申請サポート含む) → 月5万〜10万円以上
※申請代行などは別途報酬が一般的
👥 税理士・社労士との役割分担
税理士 → 税務・決算・資金繰り・補助金の数値面
社労士 → 労務管理・社会保険・就業規則
行政書士 → 許認可・在留資格・契約書・官公署提出書類
外国人雇用の場合 → 在留資格(行政書士)× 雇用管理(社労士)
補助金活用の場合 → 事業計画・申請書(行政書士)× 資金・会計(税理士)
🏢 顧問契約を特に検討すべき会社
✓ 建設業・運送業・風俗営業など許認可依存型ビジネス
✓ 外国人雇用をしている/今後予定がある
✓ 補助金を継続的に活用したい
✓ 法改正への対応に不安がある
📌 まとめ
2026年改正行政書士法で最も重要なのは、
「名目に関わらず実質的な書類作成の代行は違法」が明文化された点です。
経営者として今すぐ確認すべき4つのポイント:
① 外部への補助金・申請書類の委託契約を「実態」で見直す
② 社員の書類作成は「自社案件のみ」に限定する
③ 過去の不許可案件は期限を確認し、期限切れなら再申請で対応する
④ 行政書士への依頼前は名簿確認+証票提示+委任状の3点セットで確認する
「知らなかった」では済まされない時代になりました。
今の体制を早めに見直すことが、会社を守る第一歩です。
当事務所では、補助金申請のコンプライアンスチェック、許認可申請の代行、外国人雇用の在留資格手続きまで幅広くサポートしております。
「今の契約や体制で問題ないか確認したい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
- 許認可申請
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補助金申請をコンサル会社に任せていると違法になりますか?
2026年改正行政書士法で経営者が今すぐ確認すべきこととは? 2026年1月に施行された改正行政書士法により、「コンサル料」「サポート料」などの名目で補助金申請書類の作成を外部に委託している会社は、法的リスクを抱えている可能性があります。
外注契約の見直し方・社員が書類を作っていい範囲・過去の不許可案件への対応・行政書士の資格確認方法・顧問契約のメリットと費用感など、疑問に思ったことはお気軽にご相談ください!
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