特殊車両通行許可の基礎知識―運送事業者が押さえておくべき重要ポイント!

『いつも通り走っていただけなのに、実は違反だった』
特殊車両通行許可は、こうした思わぬリスクから事業者を守るための制度です。
車両の大きさや重さが一定の基準を超える場合、道路への負担や安全確保の観点から、
あらかじめ通行ルートや条件について許可を受けなければなりません。
大型トラックだから関係ない、短距離だから問題ない、という思い込みは禁物です。
本記事では、どのような車両が対象となり、どんな場面で許可が必要になるのかを、
実務の視点から分かりやすく解説します。
運送業を継続・発展させるために欠かせない“基本ルール”を、今一度確認してみましょう。
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目次
- ○ 特殊車両通行許可とは?
- ○ 特殊車両とはどんな車両ですか?
- ・具体的にどんな車が該当するのでしょうか?
- ・「大型トラック」と「特殊車両」の違いは何でしょうか?
- ・特殊車両に「該当しない」大型トラックとは?
- ・特殊車両に「該当する」大型トラックとは?
- ○ 特殊車両通行許可が必要になるのはどんな場面でしょうか?
- ・よくある誤解は何でしょうか?
- ・見分けるためのチェックポイントは?
- ○ 許可を取らずに走るとどうなるのでしょうか?
- ・知っておかないと怖い『経営上のリスク』
- ○ まとめ
- ○ 青山健司行政書士事務所では、自動車運送事業の申請したい方をサポートいたします!
特殊車両通行許可とは?

特殊車両通行許可とは、道路法で定められた一般的な車両の大きさ・重さの基準を超える車両が、
やむを得ず道路を通行する場合に事前に国や自治体から受ける許可のことです。
通常のトラックであれば問題なく走れる道路でも、
車体が長い、
幅が広い、
高さが高い、
重量が重い、
といった車両は、道路や橋、トンネルに大きな負担をかけるため、無制限には走れません。
そこで、『この車両が、このルートを、この条件で走るならOKです』という形で、
個別に許可を受ける制度が「特殊車両通行許可」です。
特殊車両とはどんな車両ですか?

道路は、放っておくと重い車や大きな車で傷んでしまいます。
そのため、道路法では「ここまでは自由に走っていいですよ」という基準(一般的制限値)が決まっています。
上記の表の数値のうち、たった一つでも超えていれば、その車両は「特殊車両」となり、
公道を走るには事前に「特殊車両通行許可」を取らなければなりません。
『うちは大型トラックだから関係ない』と思われがちですが、実は意外な車両も該当します。
※指定道路:道路の構造が丈夫で、大型車が安全に通れるよう特別に指定された区間。
実務的には、主に「国道」や「高速道路」の大部分がこれに該当します。
具体的にどんな車が該当するのでしょうか?
具体的な車両として、
大型クレーン車、
トレーラー、
建設機械・重機を積載した車両、
海上コンテナを積んだセミトレーラー、
などは、ほぼ確実に許可が必要になります。
「大型トラック」と「特殊車両」の違いは何でしょうか?
上記の表のように「大型トラック」と「特殊車両」はそもそもが別の概念になります。
特殊車両は大型かどうかではなく、「道路法の制限値を超えているかどうか」で判断されます。
特殊車両に「該当しない」大型トラックとは?
『普通の車』として扱われる大型トラックは、
●総重量(荷物を積んだ状態):20t以下
●長さ:12m以下
●幅:2.5m以
●高さ:3.8m以下
の条件をすべて満たしている場合、それは特殊車両ではありません。
例えば、「10トントラック」でも、荷物を積んだ総重量が20トンに収まっていれば、
普通の乗用車と同じようにどこでも自由に走れます。
特殊車両に「該当する」大型トラックとは?
大型トラックが特殊車両に該当するのは、主に『20トンを超えたとき』です。
見分け方のポイントは『総重量20トン』というラインになります。
該当しない(普通の大型)
⇒最大積載量を積んでも20トンを超えない設計の車。
該当する(特殊車両)
⇒より多くの荷物を積めるように設計された「増トン車」や「新規格車」。
これらは、道路を傷める力が強いため、「丈夫な道(指定道路)以外を通るなら、申請が必要になります。
『我が社は国道しか走らないから大丈夫』と思っていても、最後の数百メートルの市道が『指定道路』でない場合、
そこを走るだけで無許可走行になってしまいます。
まずは車検証の「車両総重量」の欄が20.00tを超えているかどうかを確認してみてましょう。
もし超えていれば、その車両はどこかで「許可」が必要になる可能性が高いです。
特殊車両通行許可が必要になるのはどんな場面でしょうか?

許可が必要になるケースは中小規模の運送事業者でもよくあります。
具体的には、
建設現場へ重機を運ぶ、
農業機械・除雪機械を運搬する、
鋼材・プレハブ部材など重量物を運ぶ、
コンテナ輸送を請け負う、
などが挙げられます。
「たまにしか運ばない」「短い距離だから」という理由でも、
無許可で通行すると違反になります。
よくある誤解は何でしょうか?
中小運送事業者で非常に多い、よくある誤解の中に、
❌「10t車だから大丈夫」
❌「車検は通っている」
❌「前も走れたから問題ない」
❌「元請が何も言わなかった」
といった点が挙げられます。これらはすべて根拠になりませんので注意しましょう!
見分けるためのチェックポイントは?
見分けるための実務的チェックポイントとして、最低限ここを確認してください。
車検証 → 車両寸法・軸数・軸距
積載後の実重量 → 総重量・軸重
積荷のはみ出し有無
通行予定ルート → 橋・高架・トンネルの制限
このうち1つでもアウトなら、特殊車両通行許可が必要です。
※1 軸数(じくすう)
⇒『車輪がついている棒(車軸)が全部で何本あるか』
例えば、4輪トラックなら2本、大型なら3〜4本、トレーラーならそれ以上となります。
※2 軸距(じくきょ)
⇒『前後の車輪(軸)と車輪の間の長さ』 、 いわゆる「ホイールベース」のことです。
※3 軸重(じくじゅう)
⇒『1本の車軸(左右1セットのタイヤ)にかかる重さ』
なお、道路法では原則「1軸10トンまで」と決まっています。
許可を取らずに走るとどうなるのでしょうか?

無許可通行は、運送事業者にとって非常にリスクが高い行為です。
例を挙げると、
道路法違反による罰金・懲役、
事業用車両としての行政処分(点数・車両停止)、
元請・荷主からの信用低下・取引停止、
事故時に保険が使えない可能性、
などです。
知っておかないと怖い『経営上のリスク』
無許可通行は、運送事業者にとって非常にリスクが高い行為です。
例を挙げると、
道路法違反による罰金・懲役、
事業用車両としての行政処分(点数・車両停止)、
元請・荷主からの信用低下・取引停止、
事故時に保険が使えない可能性、
などです。
まとめ

特殊車両通行許可は、『たまに使う特別な制度』ではなく、運送事業を守るための必須ルールです。
一度の違反が致命傷になりかねません。
『これ、許可が要るのかな?』と迷った時点で、事前に専門家へ確認することが最大のリスク対策です。
『うちの車は大丈夫かな?』と思われたら、まずは車検証を手元にご用意ください。
車検証の『幅』『長さ』『高さ』『車両総重量』を確認し、制限値と比較することから始まります。
もし制限値ギリギリ、あるいは超えている可能性がある場合は、
『どのルートを通るか』をあらかじめ決めて、オンラインで許可申請を行いましょう!
青山健司行政書士事務所では、自動車運送事業の申請したい方をサポートいたします!

当事務所では、北海道で運送事業許可の申請のほか、
法人設立の手続き
起業のサポート
許認可申請の手続きなどの
総合支援を行っております。
起業に悩まれている方はもちろん、
経営に悩まれている方・手続でお困りの方はお気軽にご相談ください。
PROFILE

- 青山健司行政書士事務所 代表
-
事務所名:青山健司行政書士事務所
住所 :〒062-0932 北海道札幌市豊平区平岸2条11丁目3番14号 第一川崎ビル1階
TEL:011-815-5282
許可番号:行政書士登録番号15010797号
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